顔が赤い程度ではない。
もはや千鳥足という言葉がピッタリである。
フラフラ入ってきてフラフラで出て行く。
よく、その状態で目指す商品にたどりつくなぁ〜〜と感心するが
一度だけ「店長〜〜、あれ、あれ、いつもの〜〜」とレジまで
なんとかたどり着いて私に取ってきてくれとせがまれた。
「ああ、タコワサビとビールね。」と
(o´ェ`o)ゞ苦笑いで取ってきてレジで通してあげるわけだが
「いつもの〜〜」って行きつけの飲み屋か何かと区別がついていない状態である。。
よほど気さくなのか、ある時おじさんがレジで会計をしていると
中学3年生ぐらいの少年2人が「おー!おっちゃん!ええとこでおおた。
これ、おごって(買って)ーや〜〜」とおじさんにしがみついて来た。
おじさんは「アホ。金無いわ」と焦りながら対応してるが
少年2人は「今、買物するのに金無いわけないやんかぁ〜〜」と
なおも なついてくる。
!?(*´-ω・)ン?こ、これはカツアゲかぁ〜!?
たこわさびのおじさんはずいぶん焦っているので。
「おいおい、カツアゲしてるんちゃうよな。」と
一応笑顔で質問すると
少年は笑いながら「ちゃうねん。友だちやねん。昔から」とのたまう。
おじさんも「小さい時から知ってるけど いつもコイツらこうなんや。」
と困り顔で笑っている。
少年は財布の中を覗き見しながら「あるやん!あるやん!おごってーや〜!おごってーや〜!」
とおじさんが店を出て行くまでついていった。
相当おじさんは困っているようではあるが嬉しそうでもあったので
そういうコントを楽しんでいるんだ。とそっとしておいた。
ある時、入口近くにいた女性客から小さな悲鳴が聞こえた。
「えっ、え〜っ、えっ」とテンパっている。
そこにタコワサビのおじさんが店内に入ってきた。
というか入口横のアイスの什器に倒れながら入ってきた。
「ありゃりゃ、また酔っ払ってるのか〜」
と思い。大丈夫ですかと駆け寄ると
頭から血を流していた。
ちょっと切りましたってなもんではなく
そりゃあ、もう木刀でカチ割られたぐらい血を流していた。
これは何かの抗争に巻き込まれたのか?通り魔にでもあったのか?
まさか!あの少年達に!と
店の外を見てみるが誰も追っかけては来ない。
ちょいとテンパリ気味に「どうしたんですか?」と聞くと
「転んでもうた。」といつものニコニコ笑顔で答える。
「めっちゃ血〜出てますよ!」あわてた私はバイト君に「ちょっとおしぼり持って来て!」
と催促をした。
もちろん そんな状況に慣れているはずもないバイト君は
焦りまくっておしぼりを持って来た。
頭の血を拭いてあげるが 結構な勢いでボタボタ血が出て作業着が血に染まって行く。
床にも血が… アイスに什器の角にも血が…
転んで出来た傷口をアイスの什器に再びぶつけて、傷口広がってんじゃねーの!
「救急車呼びましょうか!」という焦った私の問いにタコワサビのおじさんは
「店長…それより… いつもの…」
まだ飲み足らんのか〜〜い!
てな、事もありました。
当然 おじさんはおしぼりで頭を押さえながら片手にたこわさびとビールの入ったコンビニ袋を持ってフラフラと帰っていった。
このおじさんはしばらくして来なくなりました。
というか たぶん来れなくなりました。
というのも事件を発生させてしまったからです。
その事件については またの機会に…